しまスタブログ

おいしい水を求めて

2012年6月22日

みなさんこんにちは。

出雲地方では、お茶(煎茶、抹茶)を日常的に飲む習慣が定着しており、人々の生活に 欠かせないものとなっています。
私も出雲人の端くれですので普段からよくお茶を飲むのですが、ある時、買ってきた ミネラルウォーター(県内で採水されたもの)で淹れたお茶がびっくりするくらい美味しいことに 気づいてから、さまざまな水で淹れたお茶の飲み比べをすることが趣味になりました。
今日は、その中からお気に入りの「名水」を紹介したいと思います。

写真1

出雲市佐田町大呂地内の県道325線沿いに湧出する「無上泉(むじょうせん)」は、 島根の名水100選にも選ばれており、週末には出雲市や雲南市などから多くの人が 水を汲みにやってきます。

 写真2

現地に立つ案内板の説明が興味深かったので転記します。
「昔から地区の人たちの生活用水として利用されてきたこの水は、すぐ上の山肌から 湧水する泉で、四季を通じて日量千トンもの豊富な湧出量です。
水温も年間を通じ 十五度前後と変化が少なく、いわゆる「夏涼しくて冬暖かい」という山水の特徴を 持っています。
水脈もなく突然岩の中から水を噴き出していることから、昔から人は この泉を「かしら(上)無しの水」又は、「この上もない良い水」という意味を込めて 「無上泉」と呼んでいました。
また野猿もこの水を飲んでいたと伝えられることから、 「猿渡りの水」とも呼ばれています。
古くからこの地を経由して、安芸備後の国へ 旅する人は、必ずこの無上泉の水を飲んで、渇きを癒やしたといいます。
現在簡易 水道の水源として利用されており、多くの町民がこの良水の恩恵に浴しています。」

ちなみに、近所にお住まいのおばあさんは、昔の日本語(出雲弁では現役)の発音で 「くゎしらなし」と呼んでいました。

川があるわけではないのに滝があるというのはなかなか面白い光景で、飲まずとも おいしい水に違いないという気がしてきます。
実際飲んでみると、感覚的な表現で申し訳ないのですが、とにかく柔らかく 優しい味がします。

写真3

流れ落ちる水の両脇に見えている植物は、出雲地方で「滝菜(たきな)」と呼ばれる、 5~6月ごろが旬の山菜です。
おひたしなどにすると癖のない爽やかな味が楽しめ、 いかにも「滝菜」という名前にふさわしい珍味です。
(今、文章を書きながらインターネットを検索して知ったのですが、正しくは 「ウワバミソウ」と言うようです。
それでは味と名前のギャップが大きすぎますね。 知らなきゃ良かった・・・)

おいしい水も、おいしい山菜も、ちょっと足を伸ばせば簡単に、しかも無料で手に入る。
島根に住んでいて良かったと改めて感じた一日でした。

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