しまスタブログ
家から徒歩15分で仕事場へ
2013年3月18日
総務省統計局では5年ごとに行う社会生活基本調査の中で「通勤・通学に要する時間」を調べていますが、平成23年の調査結果では、島根県民は平均で26分と全国で3番目に短いという結果になっています。
私の通勤時間はそれよりも恵まれていて徒歩でたったの15分。松江城の公園(椿谷公園)の中を通って通勤しています。同じ調査では神奈川県の方が平均で54分、東京都の方が48分とのことですが、都会では2時間くらい電車に揺られ一日のエネルギーを消耗してしまう方もおられるとも聞いており、地方の良さをかみしめている毎日です。今日は、その私の通勤コースを紹介しましょう。
◆自宅から本通りへ(8時10分~8時12分)
家内に「行ってきま~す」と一声かけて、路地を通って路線バスが走っている本通りへ。ここのバス停からは仕事場方面まで10分に1本の割合で便がありますが、歩いたほうが早いので乗ったことはありません。
◆本通りを通って小泉八雲旧居の前へ(8時12分~8時17分)
本通りを出ると、通勤や通学の自転車や車がまばらな中をマイペースで歩みを進めます。すぐ近くに高校があり、雨の日に送りの車(過保護?)でちょっとだけ渋滞があるくらいです。しばらく行くと交差点に出くわしますが、左手に「小泉八雲旧居」や「武家屋敷」を見ながら直進します。小泉八雲は、本名はラフカディオ・ハーンと言い、明治24年から3年間、ここに居を構えました。松江藩の士族の娘であった夫人の小泉セツの助けを借りて怪談などを執筆し、松江を世界に紹介した人物であることはみなさんご存じと思います。また、武家屋敷は、松江藩の中級藩士が入れ替わり住んだ家を当時のままに保存しており、全国的にも貴重なものとなっています。
◆小泉八雲旧居前から椿谷公園の中へ(8時17分~8時20分)
小泉八雲旧居を過ぎて、堀川沿いに歩きます。このお堀は松江城の防御のために設けられたもので、何年か前から遊覧船が周航しています。16の個性ある橋をくぐりながら一周3.7kmを55分で巡るコースは四季折々で変化に富んでおり、観光の大人気となっています。遊覧船でくぐる橋の一つである稲荷橋を渡って搦め手虎口跡から松江城内に入ります。搦め手虎口は、お城が攻め込まれた際の防御の要所となるところだそうですが、今は椿谷公園への入り口として立札だけが平穏に立っています。
◆椿谷公園の中(8時20分~8時24分)
お城の西側にある椿谷公園は、松江市内で最も多くの椿が群生しており、日本3大ヤブ椿群の一つともされています。これだけの椿が植えられたのは、松江藩の第7代藩主である松平不昧公(治郷)が椿油を生産して藩財政の足しにしたためとか、椿のコレクションが江戸時代はスティタスであったことから歴代の殿様が愛好したためとも言われています。また、椿油は刀の手入れにも用いられたそうです。
現在は市民の憩いの場となっており、タブやシイの古木のほか梅林もあります。ちょうど今は満開の季節にあたり、はらはらと散る花びらを見ながら心落ち着く時間を過ごせます。また、5月には「なんじゃもんじゃ(学名ヒトツバタゴ)」が雪が降り積もったように白い花を樹全体に咲かせますし、秋には黄色の葉っぱを壮観にまとうイチョウの大木の姿など、一年中楽しめるとても贅沢な通勤コースです。
◆椿谷公園から仕事場へ(8時24分~8時25分)
椿谷公園から千鳥橋を渡ると、もうそこが私の仕事場です。千鳥橋は、江戸時代には御廊下橋と呼ばれ、天守閣などのお城の中枢部と藩主の屋敷があった三の丸とを結ぶ重要な橋で、その当時は屋根がかかっていたそうです。松江城の天守閣は創建当時の姿をそのまま残しており、現存する12天守の一つです。私の仕事場は、千鳥城とも呼ばれているその天守閣を仰ぎ見る6階建ての建物で昭和34年の1月に完成しました。
では、今日も一日がんばりま~す。 (むろべえ)