しまスタブログ
すばらしい!船通山!
2013年5月16日
島根県仁多郡奥出雲町と鳥取県日南町の県境に位置する『船通山』は須佐之男命(スサノオノミコト)に由縁の深い山です。標高1142.5メートルで山頂からは大山や三瓶山も眺められるとても見晴らしのいい山です。春には山頂付近に"カタクリ"が可憐に花を咲かせることも有名で、この時期には県外からも多くの方が来られるようです。
登山道は島根県側に『亀石コース』と『鳥上滝コース』の2ルートあり、この日、私が選択したのは『鳥上滝コース』です。ほぼ登山歴ゼロの私ですが、気合は十分!朝9時半に登山口からいざ出発!
始めは緩やかな石畳の山道が続き、渓流に沿って順調に登って行きました。上を見上げると青空をバックに新緑がとてもまぶしく鮮やかでした。また、静かな山中に透き通るような水の音や鳥のさえずりも聞こえ、まさに自然のリラクゼーションでした。
山道途中には、斐伊川の源流である「鳥上の滝」があり、ちょうど天から太陽の光が神々しく射していて神話の世界を感じさせる雰囲気でした。
登り始めて半分あたりのところから、次第に山道の勾配がきつくなり、ペースもややゆっくりになって息が切れるようになってきました。普通の運動シューズだったので、ぬかるんだ地面をなんとか滑らないよう踏ん張って歩くのにも苦労しました。
まだまだ先が見えず疲労感が出始めた頃、上方から下りてくる登山客の方に「こんにちは」「もう少しですよ」と声をかけてもらうことで、一瞬疲れが薄れるのを感じました。狭い山道で前方を歩く人に「お先にどうぞ」と歩きを止めて道をゆずってもらうことも何度かあり、同じ道を苦労しながら登ってきた同志のような特別な気持ちになりました。
ようやく平坦な尾根道になりカタクリの花が見られるようになると、いよいよラストスパートです。そして最後の急な階段坂を上りきると、真っ平らな山頂に到着です!思わず「着いたー!!」の一言。
山頂一面には見事にカタクリの花が咲きほこっていて、すでに多くの登山客がカタクリの花や360°のパノラマをバックに写真を撮っていました。この日は天候が良く、遠くに大山や吾妻山を眺めることができました。
カタクリの花は10センチ程の高さで、首を曲げたように下を向いて咲くので、じっくり花を観察しようと思うと地面に顔を近づけて覗き込むようにしなければなりません。花びらを精一杯そりかえして、私たちにきれいに見てもらおうとする姿はなんだか健気でかわいらしいです。花を咲かせるまでに7~8年かかるということなので、この日見事に咲いていた花たちも、実は今から7~8年も前に誕生していたことになり一層愛おしくなります。
その後ゆっくり休憩し、思う存分山頂からの眺めを目に焼けつけて昼過ぎに下山しました。午後になっても続々登ってくる登山客の中には、小さいお子さんをおんぶしているお父さんやお母さん、年配のご夫婦、県外の団体グループ、小学生、幼稚園の子どもたちなど様々でした。古来より多くの人たちに愛され、親しまれている船通山。四季折々に素晴らしい姿を見せては私たちに感動を与えてくれます。心地よい疲労感を味わうのもいいものです。皆さんもぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。 (A)