しまスタブログ
シネマなしまね・番外編1
2014年1月6日
島根県内を舞台にした映画、ちょっとそれて番外編です
1997年7月に公開された「もののけ姫」、前説不要の大ヒット長編アニメ映画ですが、この映画を人と自然との関わりから視るときに、関わりの象徴の一つとして描かれている「タタラ場」を、今回はフォーカスします。
映画での「タタラ場」は、日本古来の製鉄法である「たたら製鉄」をする場所です。
たたら製鉄は、砂鉄と木炭をもとに純度の高い鉄類を生産する方法ですが、中国地方の山間部は、このたたら製鉄の本場でした。わけても島根県には、全国で唯一現役の「たたら」や、製鉄にかかわる人々が信仰する「金屋子神」の本社があり、宮崎駿監督も島根県を訪れています。
今回は、この「たたら」ゆかりのスポット3カ所をおすすめします。
①「日刀保(にっとうほ)たたら」【仁多郡奥出雲町大呂】
日本刀の主材料として欠かせない「玉鋼(たまはがね)」は、たたら製鉄でなくてはつくれませんが、明治時代に近代製鉄が導入されると、たたら製鉄は衰退し戦前には操業が途絶えました。材料の安定供給により日本刀制作の継承を図るため、「(公財)日本美術刀剣保存協会」が昭和52年に「日刀保たたら」として、たたら製鉄を復元しました。
操業は毎年1月末から2月初旬にかけてのみ、一般公開はされていませんが、近くにある「奥出雲たたら刀剣館」で、展示解説をみることができます。
http://www.touken.or.jp/gaiyou/shisetsu.html
http://www.kankou-shimane.com/ja/spot/detail/2062
②「菅谷たたら山内(すがやたたらさんない)」【雲南市吉田町吉田】
出雲地方では江戸時代、全国の鉄生産量の約7割を産出していたといわれます。その中心が、雲南市吉田町を拠点にたたら経営を行った「田部(たなべ)家」でした。
たたら製鉄を営む場所を総称して「山内(さんない)」といいますが、菅谷たたら山内の中心にある菅谷高殿(たかどの)は、田部家が経営していた「たたら高殿」の中でも大きな存在でした。1751年から170年間にわたって操業が続けられ、ピーク期の文政年間には200t/年の鉄を生産しました。高殿様式の現存するものとしては、全国唯一です。
http://www.tetsunorekishimura.or.jp/sugatani.html
③「金屋子(かなやご)神社」【安来市広瀬町西比田】
製鉄にかかわる人々から篤く信仰されてきた金屋子神。全国に1200社あるともいわれる金屋子神社の本社、春秋の大祭には鉄類にかかわる様々な人達が、全国から多数参拝されます。境内には神木である桂の巨木があり、本殿は総ケヤキ造り、長閑ながらも堂々としたたたずまいです。
http://www.yasugi-kankou.com/index.php?view=5220
このスポット周遊コースは、のんびりした1日ドライブにはピッタリ、いにしえの息吹にふれる小旅行ができます。
http://www.kankou-shimane.com/gintetsu/area_map.html
(マロンハウス)