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大土地神楽

2014年2月13日

昨年の秋になりますが、地元で舞われた「大土地神楽」を観てきました。

大土地神楽の起源としては、宝暦4年(1754)から記録があり、寛政十年(一七九八)の「祷家順番長」寛政五年(一七九三)の「神楽道具控帳」等の記録によると、大土地荒神社の氏子により神楽が舞われており、三百年以上途絶えることなく受け継がれているとのことです。

その舞い振りや奏楽は、大土地荒神社例祭の奉納神楽であり、十月二十四・二十五日に一番近い金・土曜日に行われ、石見神楽は勿論のこと、出雲地方でも他に例を見ない素朴な特徴があります。

また、能舞の要素が多分に含まれた舞いも残っています。さらに衣装も腰に「まくら」を背負った上に着けるといった、独特な容姿となっています。

舞は各所で強く地を踏みしめる所作、あるいは、左手と左足、右手と右足、を同時に前に出して前進するという一見素朴な所作など、力強い振りが見られる出雲神話を主題とした神楽舞です。

現在では、「大土地神楽方」により、氏子後援のもとに伝承維持されているそうです。

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10月26日の午後6時から始まった神楽は、翌日の午前3時近くまで行われました。

もうこの時期は夜が深まるにつれて気温が下がり寒いため、観客用のテントの中にあるストーブにあたりながら観ることになります。

大土地神楽の特徴は小さい子供や女の子が舞う演目があることです。

1年ごとに6町内が交代で祷家を努めるため、祷家となった町内の子供たちが2ヶ月くらい前から猛練習して舞うので、その子供たちの一生懸命の舞いが前半の見せ場となります。

後半になると神楽方が舞う大人の神楽ですが、観客を巻き込んだアドリブがあ るなど、笑わせる場面もあり楽しい演目もあります。

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最後は「八戸」といって、お馴染のヤマタノオロチ退治の演目です。

県西部の石見神楽とは違いオロチは一頭しか出てこないのですが、その素朴な舞いは数百年の歴史を感じさせるものです。

最後の演目を観終わると、眠気も通り越したなかで神楽を観た興奮で普段感じることのないテンションとなり、これが夜神楽の醍醐味なのかと思いました。

古くからの舞いをそのままの形で継承する「大土地神楽」、ぜひ一度ご覧ください。 (KEN)

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