しまスタブログ
「鉄の文化」
島根県東部、安来市にある「和鋼博物館」に行ってきました。
国内最大級の鉄の博物館です。
出雲地方は、古来から「たたら」と呼ばれる伝統技法による製鉄が盛んに行われたところです。
江戸時代後半、中国山地のたたら製鉄の生産量は日本の総生産量の約8割も占めたといわれます。
炉に「砂鉄」(原料)と「木炭」(燃料)を交互に入れ、炉の両側に接続した「フイゴ」と呼ばれる装置で人力により風を送り込みながら、3昼夜燃やし続けます。
すると、炉内で「けら」が成長します。
「けら」の中には、「鉄」や日本刀の材料となる「玉鋼」が隠れています。
不思議ですね。実物は、写真で見るより、ずっと光っていました。
展示室では、たたら製鉄の歴史、砂鉄の取り方から始まる製鉄方法の説明、製鉄に使われた道具や日本刀の展示もされていました。
日本刀は実際に手にとってみることもでき、係の方から刀について、いろいろ聞けました。
見どころ満載です。
博物館のすぐ隣は、安来港です。
この日は、大山も見晴らせ、抜群の景色でした。
江戸時代、中国山地で生産された鉄や鋼は、ここ安来港から北前船で新潟の三条、大阪の堺など多くの金物産地へ運ばれていました。
島根県では、銑鉄鋳物の生産量、生産額で全国4位、「ヤスキハガネ」で有名な特殊鋼の生産が行われるなど、現代でも鋳造・特殊鋼関連産業が盛んです。
古代から育まれてきた出雲地方の文化です。 (na_m)