立地企業インタビュー
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株式会社フェズ(島根オフィス)
新領域事業部 壷倉 祐磨さん
東京都千代田区に本社を構え、主にリテイルテック事業(小売業界のデジタル技術による改革(DX)に関連する事業)を展開する株式会社フェズ。
2019年4月に、最初の地方拠点として、トレンダーズ株式会社と共同で島根県大田市にサテライトオフィスを開設しました。
島根オフィスの立ち上げメンバーでリーダーの壷倉(つぼくら)さんと、新卒で島根オフィスに入社された荒木さんに、最初の地方拠点に島根を選ばれた経緯や、人材の確保、働く環境などについてお話を伺いました。
1.御社の事業内容と島根オフィスの位置づけについてお聞かせください。
Urumo OMOのしくみ
弊社は小売業界の改革を目指した事業に取り組んでいて、基幹事業は、「Urumo OMO」というアプリケーションの開発になります。これは、オンラインで実現されているような売り場の最適化を実店舗のようなオフラインでもできるように、各店舗さんからデータを集めて、それぞれの店舗に適した売り場環境を作ることができるプラットフォームになります。これによって、効率よく売上を上げて小売業界を活性化させていく、というのが弊社のミッションになります。
この基幹事業の他にも、WEBのメディアや広告の運用、Googleマイビジネスの登録代行と運用のサポートなどもやっていて、島根オフィスでは主に東京本社で受注している事業の運用を担当しています。Googleマイビジネスの事業に関しては、島根県から委託を受けて県内企業のサポート業務をやらせていただいています。
2.島根県に進出された経緯についてお聞かせください。
島根県のソフト系IT企業への支援例
私たちの事業の中で、WEBメディアやWEB広告の運用は場所を選ばずできる仕事なので、あらゆる面でコストのかかる東京だけでやらなくても良いのではないか、という議論があって、地方に拠点を作ろうということになりました。
拠点を探している中で、いくつかの県からお声がけいただいていたのですが、中でも島根からの熱意はもの凄く感じましたし、開設までのスケジュールを具体的に組んでくださったのもイメージしやすくて好印象でした。それに、どこの企業さんも費用面は気になると思うのですが、島根県や市町村の企業立地に関わるサポートが手厚くて、弊社の場合、家賃や人件費を島根県と大田市それぞれが補助してくださっているのでめちゃくちゃ助かっています。ここまでサポートしてくださるところは他にないんじゃないかと思いますね。
3.実際に島根県に立地されて良かったと思われる点をお聞かせください。
メンバー7名のうち6名が島根県出身者
島根では「実家を継ぐ」という風習が都市部より強いように感じていて、地元を離れることなく、または一度は県外に出てもまた島根に戻って働く必要のある人はたくさんいると思うんです。その中には優秀な人材もたくさんいます。東京だと人材獲得の競争も激しくて、優秀な人材を獲得しようと思うと多額の採用コストがかかるのですが、島根だと競争が少ないうえに、県と大田市が連携して無償で手厚いサポートをしてくださるので、お金をかけず優れた人材を獲得することができます。会社にとって、優秀な人材を獲得しやすいというのは大きなメリットだと思います。
4.逆に島根県のデメリットと感じられていることをお聞かせください。
新しい技術に消極的な部分も
私たちがやっている事業の内容が割と新しい技術を使っているので、何をやっていてどのように活用するのか浸透させるのにパワーを使わないといけないという部分はありますね。分からないものには手を出したくない、という風潮が島根は都心部より強いと思いますので。
5.採用にあたって、御社の求める人物像についてお聞かせください。
島根オフィスのメンバーは全員未経験からのスタートなので、今のところ特に経験を求めてはいなくて、自分の未来像を自分の言葉で語ることができるような目標を持っている方を求めています。自分の目標を持って会社に入っていただいて、目標を達成するために自分で材料を取りに行って自己成長していく、というような積極性を持っていることは、採用にあたって大切なことかなと思いますね。
6.島根オフィスに新卒で採用された荒木さんにお伺いします。フェズに入社されたきっかけは何ですか?
現在はWEB広告の運用を担当している荒木 奏人さん
私はWebデザインの仕事がしたくて、高校を卒業してからWebデザイン科のある職業訓練学校に通って勉強しました。そして、就職先を探す時期になった時に、学生の頃からやっていた神楽を続けたいという想いが強くて、絶対に島根県内で就職しようと思っていたんです。そんな中、フェズの求人情報を目にして、ここなら神楽も続けられるし、仕事の内容も面白そうだなと思って入社を決めました。
今の仕事はWebデザインではありませんが、Webページをデザインしても人に見てもらわないと意味がありません。こういった、コンテンツを人に見てもらうというスキルはWebデザインをしていくうえでも必要だと思いますし、自分にはなかったスキルを学べているので、毎日がとても充実しています。
7.引き続き、荒木さんにお伺いします。島根で働く魅力は何だと思いますか。
琴ヶ浜(大田市)の夕景
都会の方からすると、海や山が近くてワーケーション感覚で働ける島根の環境というのが一番の魅力じゃないかなと思います。あと、私は都会で働いたことがないのでわからないですが、都会は通勤が大変みたいですね。東京本社のスタッフとリモートで話していると、通勤疲れで夕方になると顔が下がっていたりするのですが、島根ではそんなことないですからね。
それこそ今は、場所を選ばない働き方ができる仕事もたくさんあるので、島根で働くというのは選択肢の一つとして良いと思います。それに都市圏の企業が既にやっていても、地方の企業はまだ手を出していないような事業もたくさんあって、伸びしろがあるという意味では企業にとっても良いんじゃないかなと。島根は企業を受け入れるサポート体制も整っていますし。
8.採用後、島根県の人材の特徴として感じられることはありますか?
仕事に対する取り組み方や向き合い方は素晴らしいと思いますし、本当に良くも悪くも真面目ですよね。与えられた仕事を達成するまでの責任感の強さがある一方で、与えられるのを待っているという面も多少あるのも特徴かなと思います。
9.福利厚生などへの取り組み内容や考え方についてお聞かせください。
自由な働き方で生産性UP
弊社では、フルリモート・フルフレックス制度を導入しております。フルリモートは、働く場所を選ばないという最近よく耳にする制度ですが、フルフレックスというのは珍しい制度かなと思います。このフルフレックスという制度は、フレックス制度にある、何時から何時までは会社にいないといけない、というコアタイムを廃止してしまって、月間の総労働時間だけ決めて1日の働き方を全て個人に任せるというものです。だから、1日に2時間しか働かない時間があったとしても、別の日で補ってくれれば問題ありません。このように、働き方を自由にすることで生産性を上げていこうというのが弊社の考え方ですね。
あとは、男性の育休取得にも積極的に取り組んでいます。男性も育休が取れますよと言っていても取れない会社が多いと思うのですが、実際、私自身も近々育休を取らせていただくことになっていまして、過去にも何人か男性が育休を取得しているという実績もありますよ。
10.地域貢献活動の内容や方針など取組状況をお聞かせください。
地域交流を深め、IT技術をビジネス活用する大田市に
新型コロナの影響で地元のお祭りやイベントが中止になっていて、今は地域の方々と交流できる機会がなかなかありません。ですが、新型コロナが落ち着いて、お祭りやイベントが再開されたら、まずは「中日つぁん」という大田市で春と秋の彼岸に行われている大きなイベントに出展できたらいいなと思っています。そこで地域の方々との交流を深めながら、私たちがやっている事業に対する理解も深めていきたいなと。最終的には、「島根県の大田市がやたら最先端技術をビジネスに活用しているぞ」と話題になるような街づくりに貢献できたら面白いなと思っています。
11.今後の事業展開、展望についてお聞かせください。
まずは、店舗の集客に大きく影響しているGoogleの検索ページ(Map面・広告面・検索結果)のノウハウを島根オフィスのメンバーが習得して、島根オフィス単体で事業をまわせるようになるということが直近の目標だと思っています。そして、将来的にはグループ会社化して島根県にも貢献できるようにしたいですね。
12.島根県民や他の事業者メッセージなどあればお聞かせください。
一緒に島根を盛り上げていきたいという壷倉さん
IT企業が増えて業種が増えることで、若者が島根に目を向けるようになって賑やかになると思います。業種が同じエリアで被ったとしても、お客様を取り合うということもないと思うので、多くの企業さんに集まっていただいて、一緒に島根を盛り上げていきたいですね。
会社の基本情報およびお問い合わせ先
- 会社名:
- 株式会社フェズ
- 所在地:
- 島根県大田市大田町大田イ259-5
- 本社 :
- 東京都千代田区神田紺屋町15番地 グランファースト神田紺屋町3F
- 連絡先:
- TEL:0854-86-8211
FAX:0854-86-8211 - URL:
- https://fez-inc.jp/
(2021年10月取材)