立地企業インタビュー
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トップページ立地企業インタビュー神戸天然物化学株式会社
神戸天然物化学株式会社
代表取締役社長 宮内 仁志氏
医薬や情報電子分野の材料などに用いられる化学品の研究・開発・生産受託企業として兵庫県神戸市に本社を構える神戸天然物化学株式会社。2001年に島根県出雲市に出雲工場を開設したのち、2009年には出雲第二工場を開設。各々段階的に増設を重ね、直近では2023年春に出雲第一工場に立体自動倉庫が完成予定と、順調に事業拡大、施設拡充を進めておられます。
同社は2018年に東証マザーズ(現:東証グロース)に上場。
今回は代表取締役である宮内社長と、取締役の栗山総務部長のお二人に、島根県に立地することになった経緯や、事業の内容・今後の展望について伺いました。
1. 御社の事業内容についてお聞かせください。
製品はものづくりの技術そのもの
弊社は製薬、化学、電気、電子などの分野におけるお客様の要望に応じて研究・開発を行い、化合品を提供する事業を行っています。ただ、我々の業界はやや特殊で、最終製品は弊社ではなくお客様から販売されるので、弊社がこれを作りました、といって表に出せる自社製品は存在しません。
少し具体的な例を出して説明しますと、風邪薬などで「有効成分〇mg配合」というような表示を見ることがあるかと思いますが、弊社ではそういった極めて微量で機能を発現する物質の工業的な生産方法を研究・開発して、開発に成功したら量産し、安定的にお客様に供給する、という業務を行っています。
常にお客様の要望を起点に事業に取り組んでいるため、我々の製品は「ものづくり技術そのもの」だといえます。
2. 社内での島根工場の位置づけは?
主力工場となっている出雲工場
創業当初は小規模サンプルの製造などを行っていましたが、お客様の要望に応えるにつれて事業規模を拡大してまいりました。出雲工場は、会社の発展のプロセスで本格的な生産工場が必要になったため、2001年に設立しました。
当初はわずか9人の従業員数でしたが、今では120名を超え、弊社の大きな強みでもある「研究から量産までをシームレスに実現する仕組み」を支える主力工場となっています。
3. 島根県に進出された経緯についてお聞かせください。
島根県庁での調印式(令和4年3月17日)
先代の社長が以前島根まで人材を探しに来ていたことがあったり、私自身が島根県出身であったりと、もともとの地縁も少なからず影響していますが、一番は島根県さま、出雲市さまの熱心なご提案や手厚い助成制度などにより「安心して事業展開が進められる」と確信したことが、企業立地の決め手になりました。
人材確保に関連する情報も積極的に提供してくださったことは非常にありがたかったです。
4. 実際に島根県に立地されて良かったと思われる点をお聞かせください。
神話や歴史を感じることができる島根
まず一つには、助成金などの立地支援制度を大いに活用させていただいたこと。
二つ目に、近隣の大学などで化学を学ばれた優秀な人材を確保できていること。
そして三つ目に、当社が国内外の企業と技術交流を行う際に、出雲を中心とした観光案内にお連れすると、大変喜んでいただけることです。これは神話や歴史に触れていただけるエリアに事業所があることのメリットだと感じています。
また、出雲工場の従業員のうち半数は島根県外出身の従業員ですが、医療機関も充実していますし、安全で自然や食にも恵まれているため、住みやすさを感じてくれているようです。
5.逆に島根県での立地のデメリットと感じられていることをお聞かせください。
交通インフラの整備により移動も快適に
設立した当初に感じていたことでいうと、化学商社や化学原材料の販売拠点などの弊社の事業に関連する施設が少ない点には苦労しました。
その後月日が経ち、今では化学関連の事業者も増えましたし、山陰道などの交通インフラも整備されたため、神戸本社との往来も大変快適になりました。
6.採用にあたって、御社の求める人物像についてお聞かせください。
信頼獲得につながるコミュニケーション力を重視
知識があるというのは前提になりますが、一番大事にしているのはコミュニケーション能力ですね。お客様の求めておられることを理解して、自社の技術で何ができるのか、お客様の期待以上の新たな付加価値を提案できる人材を採用したいと思っています。そういった姿勢でお客様と向き合うことで信頼を獲得することができ、お客様も当社も共に発展することに繋がります。
このようにコミュニケーション能力を重視した採用活動を行っていますので、面接は1名の応募者に対して3回行い、その方の人となりをしっかりと見させていただくようにしています。
7.人材育成に関する考え方や取り組みについてお聞かせください。
求める人材像を正しく認識してもらう努力が不可欠
先ほどお話したように、弊社では研究・技術職であってもコミュニケーション能力をかなり重視しておりますので、そのような弊社の求める人材像について、学校の先生方や就職支援機関の方々にも正しくご理解いただけるよう努めています。
人事評価に関しては、部署や役職に応じた評価項目を細かく設定しています。
8.栗山取締役にお伺いします。島根県の人材の特徴として感じられていることはありますか。
クライアント様とのエピソードを語る栗山取締役
島根県の人は優しい人や温かい人が多い印象がありますね。これは実際に弊社の従業員から聞いたのですが、関西出身の従業員で、出雲工場に赴任した方の多くは、皆が優しくしてくれるため非常に居心地が良いと言っていました。
ほかにも工場を訪れるお客様がスタッフの挨拶や顧客対応を大変褒めてくださり、自社の社員教育を見直そうとされる方や、わざわざ弊社のスタッフにお土産を買ってきてくださる方もおられました。
お客様も人なので、技術職でも、営業職でも、事務職でもこの県民性は活きると思います。
9.福利厚生などへの取り組みの内容や考え方についてお聞かせください。
社員の成長意欲を全面的にバックアップ
「プロ社員養成制度」というものを導入しています。これは社員一人ひとりが挑戦する事柄の達成に必要な教材や通信講座等にかかる費用を会社が支援するというものです。
主に資格取得や、知識・技術の習得を申請する社員が多いですが、英会話などにも活用することができます。申請は任意ですが、ほとんどの社員が利用しています。
10.地域貢献活動の内容や方針など取り組み状況をお聞かせください。
化学の面白さを子供たちに伝えたい
県民の皆さまが生活する地域において事業活動を行うわけですから、ご迷惑をお掛けすることがないように努めるのはもちろんですが、地域のイベントなどへは積極的に参加させていただく方針です。地域の企業紹介の機会でもある「いずも産業未来博」では、自社の技術を使って実験を行い、子どもたちが化学に触れることのできるブースを出展しました。
子どもたちの化学離れも懸念されているため、こうした活動を通して化学に関心を持ってくれる子供たちが増えてくれると嬉しいです。
11.今後の事業展開についてお聞かせください。
研究開発支援と受託生産のバランスの安定化を目指す
業界を見渡しても、我々のような決して大きくない事業規模で研究・開発・量産の各フェーズを受託対応している企業は少なく、その点を強みと捉えお客様との信頼関係を大事にしてきたからこそ今の我々があります。
今後も出雲工場は当社の生産基地として発展させていきます。今春には立体自動倉庫が完成し、生産性の向上を図っていきます。
目立ちはしませんし、社名が表に出ることもあまりありませんが、皆様の暮らしのどこかで役立っているモノをこれからも安定的に提供していきたいと思います。
12.島根県民や他の事業者へメッセージなどあればお聞かせください。
地域の皆さまや事業者の皆さまとの共存共栄を目指して神戸で生まれた会社ですが、島根県に生産拠点の第一歩を踏み出してから早や20年。現在では、全社員の半分近い人数がこの地で日々頑張っています。ここ島根におきましても、県民の皆さまや関係する事業者の皆さまとの共存共栄が当社の目標の一つです。
化学製品はそのまま皆様の目に留まることはあまりないのですが、きっとどこかに神戸天然物化学の製品が使われています。たまに思い出していただければ大変嬉しく思います。
会社の基本情報およびお問い合わせ先
- 会社名:
- 神戸天然物化学株式会社
- 所在地:
- 〒693-0043 島根県出雲市長浜町1372-12
- 本社 :
- 〒650-0047 神戸市中央区港島南町7-1-19
- 連絡先:
- TEL:0853-28-8893
FAX:0853-28-8033 - URL:
- https://www.kncweb.co.jp/
(2023年1月取材)