立地企業インタビュー

立地企業インタビュー

株式会社三協

石川俊光 代表取締役社長石川俊光 代表取締役社長

健康食品の受託開発製造を行う株式会社三協。1963年の創業以来、ソフトカプセル自動機のパイオニアとして、高性能の機械を世界各国へ納入しています。2018年には川本町に島根川本工場を設立。健康食品のソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤、顆粒等の製造から包装までを一貫して行っています。

代表取締役社長である石川社長と、島根川本工場の山口工場長のお二人に、島根県へ立地することになった経緯や事業の内容・今後についてお伺いしました。

1.御社の事業内容や開発・製造されているものについてお聞かせください。

健康食品の機械製造や販売などを行う

三協のソフトカプセル三協のソフトカプセル

当社は健康食品のOEMメーカーですが、同時に機械製造、販売も行っています。

1963年の創業当時は、機械製造業からのスタートでした。その後開発したソフトカプセル自動機の高い製造技術で評価をいただきまして、それ以来、世界各国へ200台余りのソフトカプセル自動機を納入してきました。

高い生産技術とノウハウをベースに、健康食品のソフトカプセルをはじめ、ハードカプセル・錠剤・顆粒等の生産や小分包装までを手掛けています。

当社では他社との差別化を図るために、高品質な商品をより低コストで製造するための研究・開発に日々励んでいます。
他社には真似できない独自の技術があると自負しています。

2.社内での島根工場の位置づけは?

事業拡大と市場対応力向上を目的に設立

ソフトカプセル充填機ソフトカプセル充填機

島根工場は、健康食品のOEM事業拡大と市場対応力の向上を図ることを目的とした工場です。2018年4月に工場が完成し、ソフトカプセルなどの商品の製造から梱包まで、一貫した生産体制を整えています。

ソフトカプセルの商品以外にも、2019年6月からは錠剤の製造工程がスタートし、8月からは顆粒の製造・包装の工程も始まる予定となっています。

3.島根県に進出された経緯についてお聞かせください。

人材や環境に期待できることが決め手

お客様からご要望が増える中で、既存の工場だけでは生産が追いつかなくなり、お客様に迅速かつ高品質なサービスをご提供することが難しくなった時期がありました。
工場用地を探している中、島根県企業立地課の方にアプローチを受けたことをきっかけに、島根県へと足を運びました。

そこで感じた川本地域の方々のあたたかさや自然の豊かさ、そしてえごまのような健康効果のある特産品に魅力を感じ、島根県への進出を決めました。
特に川本地域の方々に共通する性格の真面目さや人情の厚さ、気持ちのいい挨拶をされる習慣などの素晴らしい人間性は、島根県を選ぶ大きな理由の一つになりました。

4.実際に島根県に立地されてよかったと思われる点をお聞かせください。

地域の雇用に役立てていると思えること

川本工場川本工場では地元出身者を多く採用

製造リスクの分散を図れていることと、あとは地域の雇用推進にも貢献できていると感じています。

また、県や町からの様々な支援を受けることができたことも大きいです。今後も長いお付き合いをしていきたいと思いますし、地域と一緒に発展していくような会社でありたいと思っています。

5.逆に、島根県のデメリットと感じられることを教えてください。

デメリットもプラスに考えたい

物流面改善のための道路を建設中物流面改善のための道路を建設中

緑に囲まれた山間の地に工場があるので、空調から虫が侵入しないよう、年中空調を稼働させておく必要があり、そのコストがかかる面ですかね。

あとは交通の便の問題もあります。静岡県から来る社員などには移動で苦労をかけてしまっていると感じます。

とはいっても、基本的にマイナス面は逆手に取ってプラスに考えれば良いと私は考えますね。実際、川本町は交通の便は悪くても土地が安いということがメリットだと感じています。

現在、工場からのアクセスをよくするための道路の開発を進めてもらっているところです。

6.採用にあたって、御社の求める人物像についてお聞かせください。

夢を持つことが大切

石川社長「夢を持つことが何より大切」と話す石川社長

当社では、自身の考えをはっきり主張できて、夢を持っていて、その夢の実現のために飛躍できる方を求めています。

枠にはまってしまう人材より、枠からはみ出るくらいの気概を持って欲しいですね。
マンパワーの足し算では、1+1=2ではなくて、1+1=3になるようにしたいんです。
そのためにも、まずひとりひとりが夢を持つこと、これが一番大切です。

私にはこの会社を立ち上げる前からずっと夢がありますし、今でも常に夢を持っています。実現できたら、またすぐ次の夢を持つようになる。
私が夢の話を始めると、止まらなくなってしまうんですよ。

7.島根県の人材の特徴として感じられていることはありますか?

真面目で挨拶のできる人材

島根県の方々は、働くことに感謝の気持ちを持っている方が多いですね。堅実で真面目でしっかりした人が多くて、ずっと長く働いてくれるのは島根の人材ならではだと思います。

そして先ほどもお話ししましたが、挨拶の習慣が自然と身についているのも素晴らしいです。地域の方々も、道で通りすがる際などにもよく挨拶してくださいます。

ただ良くも悪くも少し奥ゆかしいところがあるので、もう少し積極性があるともっとよいかな。

8.人材育成に関する考え方や取り組みについてお聞かせください。
  人材確保にあたって、配慮、工夫されている点はどういったことですか?

研修制度や県内学校との交流も

本社本社での研修や設備も充実

人材育成については、静岡県(日の出工場)での研修期間を設けておりまして、ベテラン作業員のもとで製造技術を身につけられるようにしています。
日の出工場付近には、島根の従業員専用の社員寮も用意してあり、ご家族も一緒に住めるくらい広い(1LDK)です。

人材確保については、県内の学校との交流を深めさせてもらっていまして、当社に興味を持っていただけるよう講演会やインターンシップなども企画しています。

9.福利厚生などへの取り組みの内容や考え方についてお聞かせください。

社員が「幸せ」と思える会社に

ホタル祭り本社で毎年開催している「ホタル祭り」

本社の静岡工場では、敷地内で育てたホタルを家族ぐるみで鑑賞する「ホタル祭り」を毎年開催しており、社員の子どもたちにも大人気です。また、400名近い社員が交流する運動会も行っています。

健康という幸せを創造するには、まず社員自らが「三協で働く幸せ」を実感し仲間と分かち合うことから、と考えています。

10.地域貢献活動の内容や方針など取組状況をお聞かせください。

地域のイベントに積極的に参加

工場長地域との関係について語る山口工場長

昨年は地域の駅伝大会に三協島根工場チームとして参加したり、お祭りに三協ブースを出展して静岡県の名産の販売を行ったりしています。

また、地域の方々に喜んでいただけるように、静岡県で有名な「河津桜」を島根県川本町に1000本寄付させていただきました。3年以内に計3000本の河津桜を咲かせることや、社員や地元の方々で行う植樹イベントも計画しています。
地域密着企業であり続けたいという想いのもと、本社である静岡県と島根県とのつながりも大切にしたいと思っています。

地域の方々に、「三協が島根に来てくれて良かった」と思っていただけるような会社をこれからも作っていきたいと考えています。

11.今後の事業展開についてお聞かせください。

より地域に密着した企業に

島根工場のさらに安定した生産体制を整えて、事業規模の拡大を行いたいと考えています。
川本町の健康食品であるえごまを活用した、島根工場独自の製品も作りたいですね。

そして、先ほどもお話したような桜並木をここに作ることで、島根工場自体が地域の方々と交流できるコミュニティの場となるような、そんな構想を描いています。

そうすることで、ますます「地域密着型企業」になれると考えています。

12.島根県民や他の事業者へメッセージなどあればお聞かせください。

島根県全体の活性化に貢献したい

社長・工場長たくさんの方が「幸せ」と思える会社に

これは今から約30年前に、とある食品会社を訪ねた際の出来事です。従業員の女性に「この会社で働かれていかがですか?」と聞いたところ、「私たちはとても幸せです」という返事が返ってきました。とても驚き、「この会社はどんな会社なんだろう」と思いました。
その後この会社の社長とお話すると、「会社が苦しい時はじっと我慢し、伸びることができるときに一気に伸びる。それで太く倒れない会社になる」という“年輪経営”を大切にしているということをおっしゃっていたんです。その言葉にとても共感しました。

三協の企業理念は、「一人ひとりが幸せと思える会社づくり」です。この「一人ひとり」という言葉には、たくさんの方々への思いを込めています。社員はもちろん地域の方も、たくさんの方々が三協を通じて、より健康で笑顔のある、そんな幸せを持っていただけるような会社をつくっていきたいと考えています。
島根県の方々と共に、100年企業を目指してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

会社の基本情報およびお問い合わせ先

外観

会社名:
株式会社三協(島根川本工場)
所在地:
〒696-1225 島根県邑智郡川本町南佐木993-1
本社 :
〒417-0061 静岡県富士市伝法573-13
URL :
https://sankyohd.com/

(平成31年取材)

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