立地企業インタビュー
立地企業インタビュー
トップページ立地企業インタビュー株式会社エスプールグローカル(BPOセンター浜田)
株式会社エスプールグローカル(BPOセンター浜田)
社長 執行役員 佐久間雄介氏
全国各地に拠点を設け、自治体向け業務委託サービス「シェアードBPO」を展開する株式会社エスプールグローカル。
自治体業務の設計構築から運営、効果検証、今後の施策検討まで一括で請け負うことで、行政職員の減少・業務量超過・働き方改革といった課題の解決に貢献しています。
2023年5月、島根県浜田市の大型ショッピングモール内に「BPOセンター浜田」を開設。
社長執行役員の佐久間社長に、島根県進出の経緯や今後の事業展望などについて伺いました。
1. 御社の事業内容についてお聞かせください。
シェアード型BPOで自治体の業務課題を解決
複数の自治体から同一の業務を集約して受託するシェアード型のBPOセンターを全国で展開しています。BPOとはビジネス・プロセス・アウトソーシングの略で、単に業務を切り出して委託するだけでなく、業務プロセスも含めて委託するアウトソーシングを指しますが、当社の場合は自社のリソースを複数の自治体に共同利用していただくことで、より効率的にサービスを提供できるビジネスモデルを確立しています。
具体的には、期間限定で業務が集中する各種給付金・助成金対応事務やマイナンバー関連問合せ対応、日々の窓口対応などを弊社BPOセンターにて請け負います。労働人口の減少や働き方改革の導入に伴い、自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進が叫ばれる昨今、問い合わせ対応のオンライン化や受電対応代行などを弊社が請け負うことにより、効率的な自治体運営が実現可能となります。
また、これらの業務を担うBPOセンターを中小自治体に開設することで、比較的求職者の多い事務職の雇用創出を行い、地元の女性を中心とした働く環境を作り出しています。
特に自治体の窓口業務を代行する場合、地元の言葉で話せる人材や、地域の土地勘がある人材であるということがミソで、相談者がより気軽に話せる雰囲気を作り出すうえでも重要なポイントになっています。
2. 社内における島根拠点の位置づけは?
浜田市内のショッピングセンター「ゆめタウン浜田」内に開設
現在全国21拠点にて事業を展開しておりますが、山陰地方で唯一であり比較的災害の少ない島根県の拠点は、BCP対策としても重要な拠点として位置付けています。
3. 島根県に進出された経緯についてお聞かせください。
調印式の模様
(左から丸山知事、浦上代表取締役、久保田浜田市長)
都内で開催されたとある会合の場で浜田市の久保田市長に出会い、「事務職の雇用創出」と「自治体の業務効率化をはかるBPO」を一体として取り組む弊社の地元完結型BPOをご紹介させていただいたところ、強い関心をお寄せいただいたことがきっかけです。
当社としても業務量が増加しており、新センターの出店地域を検討中でしたので、浜田市さん・島根県さんとの間で協議を重ね、協議開始からスピーディーに立地協定を締結することが出来ました。
4. 実際に島根県に立地されて良かったと思われる点をお聞かせください。
自社の理念に共感していただけることが有難い、
と語る佐久間社長
当社は“地域の課題は地域で解決する”という理念を掲げており、我々の事業によって地域に雇用を創出し、地域の課題を解決することで地域活性化につなげることを目指していますが、県や自治体がその理念に共感してくださっていることが大変有難いです。
また、企業立地に関する支援やフォローアップも手厚く、助かっております。
行政の皆さまとベクトルを揃えることで、より力強く地方創生を推し進めていくことができるので、島根拠点における今後の事業展開に大いに期待を寄せています。
5. 逆に島根県のデメリットと感じられていることをお聞かせください。
交通面では今後の改善に期待
東京本社との往来の点では、最寄りの萩・石見空港を利用することになるのですが、現在1日2便と運航便数が少なく、往来し辛いという点はやや気になります。
6. 採用にあたって、御社の求める人物像についてお聞かせください。
明るい声と笑顔が飛び交うコールセンター
地元を愛し、長く働きたいという思いのある方ですね。
実務については入社後にしっかり身につけていただきますので、特別な経験やスキルは問いませんが、メンバー同士互いに協力し合って進める業務になるので、協調性やコミュニケーション力、ホスピタリティなどのヒューマンスキルは重視しています。
7. 島根県の人材の特徴として感じられていることはありますか。
組織の調和の取れた雰囲気の良い職場
全体的に協調性が高く、組織の和を重んじる方が多いと感じています。
相手の良いところを褒め合う社内文化もあり、とても良い雰囲気で仕事をしてくれていますが、新しいことを習得することに対してやや消極的な面もあるように感じています。
8. 人材育成に関する考え方や取組についてお聞かせください。
厚生労働省「えるぼし認定」では最高位の3段階目を取得
未経験の方が多いため、入社後の研修には力を入れています。技術的なことはもちろんですが、背景にある自治体の課題までしっかりと伝えることで、自分たちの仕事が生み出す価値を正しく理解できるようにしています。
また、メンター制度を導入し、敢えて直属の上司以外の他拠点のメンバーにオンラインで相談できる機会を作っています。
さらに、子育て世代の女性社員も多い職場なので、パート勤務や時短勤務などの選択肢を増やし、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。女性活躍企業の認定マーク「えるぼし」を取得しておりますが、今後もさらに仕事と子育ての両立がしやすい環境の整備を進めてまいります。
9. 地域貢献活動(祭り・イベント等)の内容や方針などあればお聞かせください。
地域に根差して事業展開していきたい、
と語る佐久間社長
当社は今年浜田市に立地したばかりですので、地域貢献活動についてはこれからというところです。
他拠点の例では、秋田県大仙市の「大曲の花火」イベントに毎年協賛させていただくなどの活動を行っていますので、今後浜田市でも当社が協力できる催しなどがあればぜひ積極的に関わっていきたい考えです。
10. 今後の事業展開、展望についてお聞かせください。
引き続き地元人材の積極雇用を推進
当社のリソースを複数の自治体で共同利用いただく「シェアード型BPO」のビジネスモデルに基づき、引き続き事業の拡大と、地元人材の雇用拡大に注力してまいります。
我々の強みとしては、全国各地に拠点を構え、さまざまな地域の自治体の皆さまと共に仕事をさせていただいているため、好事例、失敗事例含めて幅広く情報が集約されやすい立場にあるということです。この立場をうまく活かすことで、自治体を横断してナレッジを共有でき、更なる業務改善を提案することが可能となります。
今後も地域に根差し、共に地域課題解決を目指す「頼れるビジネスパートナー」となれるよう、全力で取り組んでまいります。
会社の基本情報およびお問い合わせ先
- 会社名:
- 株式会社エスプールグローカル(BPOセンター浜田)
- 所在地:
- 〒697-0052 島根県浜田市港町 227-1 ゆめタウン浜田2階
- 本社:
- 〒101-0021 東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル10F
- 連絡先:
- TEL:03-6859-6563
FAX:03-6684-3346 - URL:
- https://glocal.spool.co.jp/
(2023年11月取材)