立地企業インタビュー
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トップページ立地企業インタビュー株式会社スター精機
株式会社スター精機
出雲工場 工場長 出川祐二 氏
産業用ロボット、特に合成樹脂取出ロボットでは世界のトップメーカーである株式会社スター精機。世界15カ国に16現地法人を構え、国内に2箇所ある生産工場のひとつがここ出雲工場です。
1992年に操業開始された出雲工場は、地元人材の雇用を拡大しながら着実に生産量を伸ばし、現在2020年操業開始予定の新たな生産設備の増設も進められています。
同社の出雲工場の出川工場長に、島根県へ進出された経緯や島根での事業展開などについてお話を伺いました。
1.御社の事業内容や製造されているものについてお聞かせください。
合成樹脂成形取出しロボットのトップメーカー
産業ロボット(特に合成樹脂成形用取出しロボット)は弊社が世界で初めて開発した機械であり、出雲工場の主力製品となっています。自動車・家電・生活雑貨等、様々な分野の製品の製造に用いられるロボットを製造・出荷しておりますが、特に自動車製造用ロボットの占める割合が最も多く、生産台数全体の55%を占めています。
海外への輸出も行っており、アメリカ・イタリア・タイ・メキシコ等で弊社のロボットが活躍しております。
2.社内での出雲工場の位置づけは?
出雲工場内部の様子
出雲工場は、弊社生産高の約75%を生産しており、弊社の国内マザー工場の位置づけとなっております。現在、敷地内での工場と生産設備の増設も進めており、今後より一層出雲工場の生産力が増強される見込みです。
そういった意味でも、全社における出雲工場の重要性は非常に高いものとなっております。
3.島根県に進出された経緯についてお聞かせください。
操業当初から地元人材を積極的に採用
出雲工場新設当時は、ちょうどバブル期の真っ只中でした。ものがよく売れる時代でしたから、極度の人材不足で生産が追い付かない中、愛知県以外で生産工場建設を検討したとき、出雲市(旧斐川町)の企業誘致が積極的でした。
出雲工場新設のために求人募集したところ、愛知県では全く応募が無かったのですが、出雲市では3年間で300人以上もの応募があったことには驚きましたね。おかげさまで人材不足も解消されました。
4.実際に島根県に立地されて良かったと思われる点をお聞かせください。
官民一体を実感、と語る出雲工場総務課の三嶋氏
そうですね、やはり島根県庁さん、出雲市さんの支援体制が大変充実している点ですかね。助成金制度も活用させていただいておりますし、頻繁に足を運んでいただき、困っている事に対して様々なご提案をして頂けて助かっています。
まさに「官民一体」ということを実感しています。
5.逆に島根県のデメリットと感じられていることをお聞かせください。
出雲-名古屋便の復活で本社との移動もスムーズ
物流に関して、一部不便を感じることがあります。
しかし、名古屋・出雲間の航空便が復活したことは、愛知県小牧市に本社がある弊社にとっては非常に有益なことです。
移動手段が便利になったことで、最近では毎週のように、発注製品の製造状況確認のために出雲工場にお客様がお見えになるようになりました。
島根県さん・出雲市さんのご尽力には感謝しております。
6.採用にあたって、御社の求める人物像についてお聞かせください。
求めるのは自分で考えて行動できる人材
仕事での難題に対して、自ら考えて行動していただける方、ですかね。
日頃社員にも指導しているのですが、上司に相談事をするにも、まずきちんと自分なりの意見を持ったうえで相談するように、ということです。
自分の頭で考える力が身につかないと、やはり人は成長できないですよね。ですから、ひとりひとりが「自分で考える癖」を身に付けて欲しいと思っています。
それから、企業説明会などでよく「入社前にどんな資格を取得しておくとよいですか?どんな勉強をしておくべきですか?」と質問されるのですが、弊社の回答としては「資格や仕事のための勉強より、入社までに出来るだけ色々な経験をしておいてください」とお伝えしています。
会社に勤めると自分の時間を自由に出来ない事もあります。学生のうちに「どうすれば時間を有意義に使えるか」ということを経験の中で考えていただき、それを仕事に活かしていただきたいと思っています。
会社で必要な資格などは、必要に応じて入社後に会社の費用で取得していただきますので。
7.人材育成に関する考え方や取組についてお聞かせください。
個々の成長に合わせた育成計画を実施
人材育成については、社員教育の年間計画を毎年必ず立てています。ひとりひとりの保有資格やスキルの習熟度を確認しながら、今後必要なスキルは何か、どういった教育が必要かを明確にしています。高品質な製品づくりにはやはり技術の習熟が不可欠ですから、個々の成長レベルに合わせた的確なトレーニングが大切になります。
また、年に1回部門長(工場長)による、全社員との面談も実施しています。本人の希望などもヒアリングし、必要に応じて配置転換などを行うこともあります。
8.政府の取組である「働き方改革」について、今後どのように取り組まれる予定ですか?。
改善活動発表会の様子
弊社は勤務が日勤のみであり、夜勤はありませんので、その分家族と過ごす時間などプライベートな時間を尊重したい方、ワークライフバランスを考えている方には勤務しやすいと思います。
働き方改革については、実は世間で取り沙汰されるより前から取り組んでいます。やはり社員あっての会社ですので、限られた労働時間の中で効率よく仕事をして成果を出せるように、またプライベートな時間も充実させられるように、様々な改善活動を推進しています。
9.また、福利厚生などへの取り組みの内容や考え方についてお聞かせください。
懇親ボーリング大会の様子
工場敷地内テニスコートを無料開放したり、温水プールなどの社外スポーツ健康施設を法人契約しており、社員とその家族は無料で利用できます。休日に利用している社員も多いようですよ。
また、年に一度福利厚生手当を支給しており、社員同士の懇親会などに自由に利用してもらっています。
10.地域貢献活動の内容や方針など取組状況をお聞かせください。
宍道湖ヨシ刈りボランティアの様子
宍道湖一斉清掃や宍道湖ヨシ刈りのボランティアには毎年有志で参加しています。また年2回、近隣の清掃・草刈を実施したり、地域の祭りへの協賛などは積極的に行っています。
11.島根県の人材の特徴として感じられていることはありますか。
ものづくりに適した島根県の人材
コツコツと粘り強く作業される方が多いと感じます。ものづくりにおいて、この特徴は重要な要素ですね。難しい取出ロボット製作に関しても挫けることなく最後まで製作するので、お客様からも高い評価をいただいております。
弊社の掲げるスローガンに「Quality First=品質第一」があります。製品検査も厳しくしており、安全で高品質な「妥協しないものづくり」を徹底して行っていますので、そのように真面目で勤勉な県民性というのは、弊社の人材に適していると感じますね。
12.今後の事業展開、展望についてお聞かせください。
島根県から世界に羽ばたくものづくり
現在進めている生産設備の増設工事においてもそうですが、電子部品以外のほぼ全ての部品を島根県内のお取引先へ発注しています。そういった意味で、弊社の取出ロボットは本当の意味での「Made in Shimane」なんですよね。
そのロボットが日本国内だけでなく、全世界へ出荷される事に誇りを感じています。
13.島根県民や他の事業者メッセージなどあればお聞かせください。
出荷前のロボット動作確認の様子
皆様が利用されている日用品には様々なプラスチック製品ありますが、それらを加工する際に、弊社で生産された取出ロボットが活躍している事を知っていただけると嬉しいですね。
会社の基本情報およびお問い合わせ先
- 会社名:
- 株式会社スター精機(出雲工場)
- 所在地:
- 〒699-0631 島根県出雲市斐川町直江3538
- 本社 :
- 〒480-0132 愛知県丹羽郡大口町秋田3-133
- 連絡先:
- TEL:0853-72-4311
FAX:0853-72-4300 - URL :
- http://www.starseiki.com/
(平成30年取材)