未来を支える「人材」の育成

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「てごねっと石見 ロボット教室」のご紹介

島根の人材育成イメージ


インタビュー

江津で2010年から始まった「ロボット教室による人材育成」について、特定非営利活動法人てごねっと石見 ロボット教室ヘッドコーチ 坂根 悦夫様にお伺いしました。 (取材協力:江津市立跡市小学校)

活動がはじまった経緯は? 

現在、江津市議会議員を務められている田中利徳氏が、隠岐島前高校教員時代の平成19年7月に京都で開かれた夏期講座中、京都大学の北原達正先生によるロボット教室を体験したことから始まりました。当時は子どもたちの理科離れが問題になり始めていた時期で、それをくい止めるべく、北原先生自ら「子どもの理科離れをなくす会」を立ちあげ、理科の実験を交えた講座を各地で精力的におこなわれていて、ロボット教室はそのひとつだったんですね。この講座に深く感銘を受けた田中氏は、その後、県立大学に勤務されていた平成22年、江津市の事業として、江津市立高角小学校5年生を対象にしたロボット教室を企画、開催し、9月にはポリテクカレッジ島根の学園祭の中で、北原先生を招聘して2回目の教室を開催しました。翌23年には、江津市大会、島根県大会を経て、江津市から2チームが全国大会へ出場するほど講座も活発になり、同年8月からNPO法人てごねっと石見が事業を委託され現在に至ります。

活動がはじまった経緯は?

近年、子どもたちの学力低下や理科離れが教育の課題となっている中、江津市の子どもたちに体験型・実験型コンテンツを用いて、科学を通した人間教育・人材育成を行なうとともに、江津の産業とコミュニティーを支える若者を育てていくため、地域で生まれた子どもは地域で育て地域で活かすという「ふるさと教育」の推進を図ることを目的としています。また、江津市から世界に通じるグローバル人材を育成することも視野に入れており、具体的には、

  1. サッカーロボットを通じてプログラミングスキルをマスターする
  2. 世界の標準語である英語を、ICT(インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー)を通じて実戦型英語力をつける
  3. 世界に通用するたくましい(イノベーション力)心をはぐくむために日本のトップ技術を「見る・聞く」を体験させ、レベルアップを目指す

の3項目を上げています。
掲げた目的への手応えは十分ありますが、プログラムスキルを上げるということについては、こちらがそのレベルまで教えたと思っていても、当の子どもたちが満足していなかったりと、目的がはっきりしていないため、子どもたちにとっては到達点が分かりづらい部分があるようです。そもそもスキルというものが子どもに通じているのかな?と思うこともあります。大人はスキルアップしていけば仕事に役立ちますが、そういう目的のない子どもには、スキルアップという概念が判りづらい。子どもにとっては、スキル=競技で勝つ。ということに尽きるんでしょうが、そのあたりも今後の課題になっています。

今後の活動は?

今後はいろいろなロボットの製作や英会話を取り入れるなど、ロボット教室を通して子ども達の意欲を駆り立てて、自分の将来に対して真剣に向き合い、自らの夢や目標に向かって粘り強く努力することのできる育成に力を入れていきたいと考えています。
また、私個人としては、このロボットというものを教育目的でもう一度見直し、人間を育てるという部分へもう少し入り込んでみたいと考えているところです。
具体的に言うと、ロボットにはランクに応じていろいろなパターンのものがありますが、勝つための競技主体となった現在の高度なランクのものではなく、一番小さくて何もついてないようなロボットを使った競技にもう一度取り組みたい。
今その小さいロボットで競技に出る子どもがいなくなっているんですね。
プログラムの本質は何であるか?教育の本質は何であるか?は、私自身、教育者ではないので分かりませんが、シンプルであるということはさまざまな可能性を伸ばしてくれると思うんです。

ロボット教室の様子

ロボット教室の様子
(取材場所となった江津市立跡市小学校は正式な授業としてロボット教室が行われ、      
全国大会で準優勝するなど多くの実績があり、教室には歴代のロボットが並べてある。)

ロボット教室の様子
ロボットは組立、プログラミング、セットアップなど全て生徒自身で行っています。

ロボット教室の様子
礼儀作法も学ぶことのひとつ。挨拶から始まります。

ロボット教室の様子
ポジションを決めて、試合がスタートです。

ロボット教室の様子スタート後はロボットがボールを追います
ロボット教室の様子プログラム通り動くか状況を見ています
ロボット教室の様子設定した状況になると思わず声が出ることも
ロボット教室の様子ゴールシーンも見られました
活動開始の時期と現在の活動状況

[活動開始の時期と流れ]

  • 2010年9月26日 第一回サッカーロボット体験教室(ポリテクカレッジ島根)
  • 2011年7月までは江津市が担当
  • 2011年8月1日より江津市からNPO法人てごねっと石見に事業委託

[現在の活動状況]

島根県内では、産官学が一体となったこどもたちに向けた教育が実施されています。

民間グループによる「親子プログラミング教室」
  1. 市内の「小学校、中学校、通学合宿」におけるロボット体験教室開催
    小学校〜8校中7校で開催、3年生以上、年間2〜6時間
    中学校〜4校中2校で開催、3年生を対象に、年間1クラス10時間
  2. 子どもたちを対象にしたロボット教室の開催(会場は公民館)
    ■C言語(GUI・テキスト)作成・フローチャート作成、電子回路製作、ロボット製作などを行う。
    年間40時間〜80時間
    ■市内で60名以上の参加
    ■指導コーチ8名(ボランティア)
  3. サッカーロボット江津ノード大会、島根ブロック大会の実施
  4. 指導者研修会実施
  5. 講演会の開催

特定非営利活動法人てごねっと石見のご紹介

団体名称 : 特定非営利活動法人 てごねっと石見
連絡先 : 〒695−0011 島根県江津市江津町1517番地2 あけぼの通り商店街 駅前KICHI内(旧日本海信用金庫跡地)
TEL: 0855-52-7130
FAX: 0855−52−7135
URL : http://www.tegonet.net/
表彰 : 第5回地域再生大賞 大賞 http://www.47news.jp/localnews/chiikisaisei/taisho/2014/